妖怪賢者 の 憂鬱

柿の木

 彼は基本的に、人から教わる事を嫌う。教わるという事は答えを教えてもらう事であり、相手の言う事をそのまま教授される事であり、他人の摸倣であり、自分で考える事を放棄する事に繋がるからだ。それは自身の成長を阻害する行為だと、彼は考えているらしい。考え過ぎだ。だが彼は、人から学ぶ事についてはむしろ積極的である。人里でも霧雨家で修行していたと聞く。相手の意見を聞き、相手の行動をよく観察し、そこから相手の真意を考察してくみ取って自分に足りないと思われる要素を選択して学び吸収しようとする。そして反復し反芻し繰り返し考える事で自分の知識としていくのだ。要は、自分で考えて答えを見つけたいだけである。でもだから彼は知りたいことがある時は「これについて教えてほしい」とは言わない。「これについて、君はどう考える?」と聞いてくるのだ。まぁ大した違いはないし、正直どうでもいい。その姿勢は、嫌いではないけれど。その所為か私は何故か、いつも彼に答えてしまう。彼の学ぶ手助けをしてしまう。――そして、今日も彼は知りたいことがあるらしい。さっきからチラチラと私を見て、話題に出すタイミングを伺っている。彼の持つ雑誌を見れば、何を知りたいのかは大体分かる。彼が知っても意味はない情報である・・・が、いずれ巫女が情報の端を掴みにここへ来るだろうし、彼に話しておけば手間が省ける。話しても、まぁ問題ないだろう。「霖之助さん、何をそわそわしているのかしら?」「なななな何の事かな? そ、それよりこの前、こんな雑誌を拾ってね。読んでみたのだがこの記事に―――」 ・・・・最近、彼に甘くなっている気がするのは、気のせいなのだろうか・・・・?   ■ ■  茨歌仙3巻の座敷童の話で、霊夢が「外の世界に詳しい人に聞いた」と言うのを見て、これはきっと霖之助さんの事じゃないかと妄想してみました。 座敷童について、予め紫さんから聞いていたんじゃないかと考えてみました。まぁ実際は紫さんが直接、霊夢に教えたんでしょうが、妄想するだけなら自由ですよね?  ■ ■  「・・・・今何となく思ったんですけど、霖之助さんって意外と年上キラーですわよね?」「・・・・何となくで、変な言いがかりを付けないでくれ・・・」

#Touhou#rinnosuke morichika#yukari yakumo#紫霖#check out the description#大きな子供

2013-10-18 15:39:18 +0000