--18 19--この戦、どうやらだいぶんに旗色が悪い。アカツハラの連中、ベイダオに戦力を割くと聞いたが全然違うじゃねえか。俺の居た中隊も、敵本陣への突撃戦で散り散りになっちまった。参ったね、一人かよ。まあいい、アワ喰って殺されるくらいなら、一人で大将首を狙ってやるさ。侵入者の掃討で、目の前にある本陣の守りは薄いしな。--20 21--覚悟を決めて突撃。本陣前の護衛もこちらに向かう。ざっと30人がとこか。あー、8割がた死ぬなこりゃ。刹那、脇をすり抜ける獣人の影。細身のレイピアで、先頭の護衛2人の首を刎ねる。成程、己と同じ考えのヤツがいたとはね。ちんまいガラして、いい度胸してるじゃねえの。おまけに腕もいい--22 23--己が薙ぎ、ヤツが的確かつ冷徹に止めを刺す。初めて会った筈なのに、妙に呼吸が合いやがる。F『フェンネル=パラウマンだ。貴公は?』T『タイラだ、犬同士よろしく頼まぁ』顔をしかめ『私は犬ではないよ』とフェンネル。360度どっからどう見ても犬じゃねえか--24 25--淀み無く敵陣を斬り進む。いける、コイツとならいけるぞ!目の前の天幕が大将首への入り口ならこの戦、勝てる!--26!27!--残り3人の時、天幕より2つの影。同時に嫌な、直感めいた感覚。フェンネルも感じたか、顔がさらに険しくなる。大男にもう一人は女か。あのキザな外套は見覚えがある。間違いねぇ、アカツハラの超人兵団、皇帝直轄の近衛親兵だ--28!29!--坊ちゃん連中も多いと聞くが、前線にいるって事ぁどう考えても本職だろうな。F『…強いな、だが退かん』T『だな』最後の護衛を同時に斬り斃す--30!--F『そこを…!!』T『のきゃあがれえええ!!』
■ご出演さまは次の投稿にてillust/3658156
2009-03-29 15:30:21 +0000