──あの子を笑顔にしてくれる人が現れたのだろうか。
気持ちの変化なのかあの子は最近目を隠さなくなり、そのおかげで私は島の人々を見る事が多くなった。
年の頃が同じであろう青年と娘。明るい母子。
その様子からもう一人いるようなのだが不思議と姿が見えない。
あの子の視線の先には何もない、けれど愛しいという想いを強く感じる。
良かった、あの子を幸せにしれくれる人が傍にいるのだ。お願いだからそのままその人の事でいっぱいになって、そして私を忘れてしまいなさい。
それが正しい姿なのだ。
──それを「寂しい」でなく「哀しい」と感じるのは、もう私がおかしくなってしまったからだろう。
●本編中の山の鬼視点が気になります。●評価・タグありがとうございます。同人誌…!!考えてみますです;
2013-06-16 03:26:40 +0000