とてもお日様の強い日でした。
エーデル先生の森がすぐそこなのに、ファーメルの魔法のほうきは壊れてしまいました。二人は途方に暮れました。だけどもほうきは直さなければいけません。二人の前に赤い屋根。どうやらそこは村のよう。今は村に行くしか無さそうです。二人はそうっと入ります。あわてんぼうのチップは泣きそうです。だけどもファーメルは楽しそう。蔦が風に揺らぎます。ひゅるひゅるざあざあ、ひゅるひゅるざあざあ。風の妖精は言いました。「私たちは涼しいの。お休みなさい」チップは舌足らずに伝えます。「妖精さん、あたしたち先生に会いたいの」風の妖精は言いました。「それなら私の歌をお聴きなさい」ファーメルは耳を澄ませます。チップは口がへの字です。風の妖精さんは優しい嘘つき。心地良い歌声が響きます。しゅうひゅう、しゅうひゅう、さら、すー、さら、すー。二人は小さな寝息を立てながら、眠ってしまいました。
2013-06-15 11:23:06 +0000