2013年賀状の絵柄より、今度は大阪市営地下鉄100形電車の単独イラストです。 ◆ 大阪市営地下鉄はいまから80年前、昭和8(1933)年5月20日に現在の御堂筋線である梅田(仮駅)~心斎橋間が開業します。同区間の開業に備えこの100形電車が10両製造されました。先に開業した東京地下鉄道(現東京メトロ銀座線)の車両に比べ、車体は一回り大きい当時の省線電車並みの規格となり、カラーリングも上半分クリームに下半分コバルトブルー、客扉と屋根が白銀色という当時珍しかった明るい塗り分けを採用しました。電気品も高スペックで、当時としては最大の170kWモーターを搭載、発電ブレーキも当初から装備し常用されていました。これらは、将来の長編成化や使用電圧の1500ボルト昇圧などを見越して設計がなされたためといわれています。また電動発電機の採用により、第三軌条の切れ目でも室内灯の瞬間停電が起きないようになっていました。室内には『次駅表示機』が設置されましたが、こちらは不具合が多くすぐに使用停止されたとのことです。 ◆ この100形は戦時期を乗り越えて長く活躍し、万国博を目前にした1970年までに、ほかの旧型車とともに30系に置き換えられ運用を退きました。100形は地下鉄最初の車両ということで保存が決まりましたが、車掌室設置や室内の蛍光灯化改造が施された車両があったため、いずれの改造もされず一番原形に近かった105号が保存車として選ばれました。105号は当時の我孫子車両工場で復元工事を行ったうえ、当初は朝潮橋にあった交通局研修所に保管、のちに同所閉所により現在は緑木車輌工場内の保管庫にて保存され、同工場の年1度の公開イベントの折に展示公開されています。 ◆そして、今日5月20日で大阪市営地下鉄は開業から80周年を迎えます。80周年ということで記念イベントが開催され、この105号は5月24日まで、淀屋橋の大阪市役所前に運び込まれ特別展示されています。 http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/announce/110syunen/subway80syunen.html
2013-05-19 15:35:45 +0000