巷で頻発する“結界破り”の噂がとある廻国護衛官の耳に届いたのは、前日、別所での大捕り物騒動に炉端話の賑わいが一応の落ち着きを取り戻した片隅で、敷かれていた幾層かの結界の結び目が解かれまた心なし乱暴に結ばれた形跡を見つけた朝の事。『これ予告とばかりにあえて“下見”の気配を残するは余程の自信があるのか、警戒させてから力試しでもしたいのかなんだろうけどねぇー?』相談と助力を持ちかけた宮仕えの札守から頼みの札を受け取り戻ると、その夜、侵入者に備え控えた術士の床間は姿なき指し手を迎える遊戯場にも似た様相を呈す。 ーさて、歴代最強の精霊力を誇る元長に何故わたくしめ護衛などが必要であろうかと問われれば、それは如何なる賊党も退けるに易いご隠居様の手を煩わせることなく、悠々自適の暇にゆるりと心身をお休めいただくためにあるのだと、お答えしましょうー
■お借りしました:札守さん【illust/34129356】、ミヨ様【illust/33956102】 ■護衛官時代、術士カノコillust/35706504、術士マジジマillust/34334706数えで十に満たない餓鬼の時分の話 ■企画元:pixivファンタジアNW:illust/33956297(本期間は終了済)
2013-05-18 03:17:59 +0000