1963年に10両が製造されたキハ35形のステンレス試作車。東急車輛製造がアメリカ・バッド社のライセンスによるオールステンレス車両開発の一環として製造したもので、0番台に比して3.6tの軽量化を実現した。車体の基本諸元は0番台に準ずるが、外板・骨組み・台枠に至るまですべてステンレス製で、幕板・腰板部分にはコルゲートが走り、側面外吊りドア上の戸車カバーは車体の強度確保を兼ねている事から車体全長にわたる長大なものである。当初は無塗装で銀色のステンレス地肌であったが、当初の配属先の房総半島は霧の発生しやすい気候のため、のちに安全上の問題から、遠方視認性を高める目的で前面に朱色4号の帯が入り、さらに末期には、車体が朱色5号、ベンチレーターを除いた屋根がねずみ色1号という、一般車と同様の首都圏色に塗装された。製造コスト、バットのライセンスなどの問題があり量産されなかった。
2013-05-09 05:10:31 +0000