■赤錆びた階層で、幼い獣人が疲れ果てているようすで座っているのを見かけたヴェスタローゼ。この区域はオールンが放ったモンスターが大勢いる。少しの間護衛しようと剣を構える。「お、おねえさん?ありがとう、でも僕なら大丈夫。少しだけ疲れて休憩してただけだよ。」幼い獣人はそういうとフラフラと立ち上がろうとする。が、そんな状態の子を見過ごすわけにはいかない。無理やり前に出て護衛を続ける。しかし、手を捕まれた反動でこんどはヴェスタローゼが尻もちをついて護衛されるような状態になった。「・・・!」少し意固地になってしまったヴェスタローゼは慌ててその子を掴み無理やり座らせた。「な、なにするの!?」二人は取っ組み合いになりお互いを護衛しようと死闘を始めた。 その時だった。 - -ドゴッ!!- - 「いてっ!?」「ハォ
ッ!?」突然二人の頭にげんこつが御見舞いされた。突然の痛覚にヴェスタローゼは奇声を発した。「・・・なにをしているティーオ。」「に、にいさん!」ティーオと呼ばれたその子は長身の獣人に歩み寄る。「少し敵が多くてな。弟にまで目を配れなかった。少しの間だったが護衛してくれて感謝する。」そういうと兄と呼ばれた長身の獣人は弟を担いで再び戦場へ駆け出していった。ヴェスタローゼもげんこつを御見舞いされた頭をさすりながら敵の討伐を始めた。 ■お借りしました。ティーオ【illust/34136691】ガレリオ【illust/34604378】
2013-05-06 13:27:44 +0000