刀が紅く煌き、槍斧が冷気を纏って唸る。それらを掻い潜り、宙を舞う異端の炎。腕を振るえば蒼き炎の巨人が迫り、手腕を振り下ろす。それを槍斧が受け止めると、炎と氷がぶつかり合い、大量の蒸気が一帯を包み込んだ。そして次の瞬間、白い蒸気の中から黒い影が飛び出した。■「なっ、どうしてピアが!?」 蒼く揺らめく異端の炎と、傍らに控える桜色の影に向かって慣れない魔術を行使する。 「ちぃっ、無茶しおって!」 一つ一つ、自らの魔力が形となって放出されるたび、自分の命が消えて行く、言いようのない悪寒が身体中を巡る。 「ピア!今すぐ止めるんだ!」 死ぬ為にここまで来た筈なのに、どうしてか、涙が止まらない。蒼炎の触手が自分の身体目掛けて振るわれるが、防御魔術がそれを弾き返す。悪寒がまた身体を巡る。 「い、命なんてもういらない・・・」嘘だ。「いいんだ、もういいんだ・・・」 嫌だ。死にたくない。 矛盾する気持ちと決意を、悪寒が黒く塗り潰す。その時、お守りとして持っていた魔導書が独りでに開くと、頭の中に二つの声が聞こえた。■「やぁやぁ、僕らの『オリジナル』」「喜びを知り、悲しみを知り、そして君はどこへ行くんだろうね?」「終わりを求める?でも残念、まだまだ世界は終わらない」「君の時も終わらない。終わるなと願ってくれる仲間が居るからね」眩い光と共に、青い空と地平線が続く世界から二つの影が姿を現した。■お借りしましたレーヴァさんillust/34163950オルバンさんillust/34952536グラナさんillust/34141369 公式よりオブシディアさん ■うちのillust/34164167 illust/34868366
2013-05-06 05:08:57 +0000