第二次世界大戦前、1932年の日本。枢軸国を形成し世界の緊張が高まる中、鉄道界にもドイツを参考にするうねりが起きていた。この電車は第三帝国を代表する名列車「フリーゲンダー・ハンブルガー」をまねるように100形を改修したものであった。これに関しては、同時期に国鉄で制作された「52形」電車と同様の経緯でもある。 戦争の激化に伴う鉄材供出のために、足回りを残してたった4年ほどで解体されてしまったのだが、原型と製造方法が異なりシルとヘッダを廃したことで、原型よりも大変スマートな印象を受ける。なかでも前照灯の形状は外観の変化を決定付けるものとなっており、カウルと合わせて当形式最大の特徴でもある。 専用の塗装も施され、「フリーゲンダー・トーキオイテ(空飛ぶ東京人)」「東洋のハンブルガー」と称されるほどのものであった。なお、この改造に伴い、内装もビジネス特急向けから一段グレードアップされていた。
2013-04-14 02:25:08 +0000