そのむかし、日封じの竹林には虎の若君が棲んでいた。
力自慢の若君は、怖いもの知らず、気の向くままに七色山脈を荒らしまわったよ。
そのうちついに、龍神さまの怒りに触れた。
虎の若君は半死半生、命からがら逃げ帰った。
―これに懲りて、若君は大人しくしたかどうかって?
気になるなら、月夜の晩に月見ヶ原へ行ってみるといい。
懲りずに若君は何度もお山を駆け登ったそうだ。龍神さまに力勝負を挑みにね。
龍神さまは呆れて、放っておくことにしたけれど、たまぁに、
月見ヶ原へ降りてきて、若君の相手をしてやるそうだよ。
■次のおはなし(illust/35058258)と龍虎図(illust/35270577)
■pixivファンタジアNW(illust/33956297)
2013-04-06 14:38:06 +0000