第九百八十夜~第九百八十一夜「立派な詩人、音楽家にして歌手であったクーファ人ムハンマドは、次のように語っております。わしが音楽と歌の稽古をしてやった若い娘と女奴隷の中で、空色のサラーマーよりも美しく、元気で、魅力があり、才気に富み、天分の豊かな女弟子はついぞいなかった。この小麦色の乙女を、われわれは「空色」と呼んでいた。それはその口辺に、青みがかったおびただしい口髭の愛らしい痕跡が、さながら巧みな書記の筆か、彩色工の軽妙な手かが、そこに風情豊かにひいたとでもいうように、細い麝香の線にも似て、うっすらとあったからである。わしが稽古をつけてやった頃、彼女はまだまったく子供で、花咲いたばかりの少女であった。小さな両の胸乳は大きくなりはじめ、その軽い衣を持ち上げて、胸から衣を離しているのであった。彼女を眺めることは、歓喜であった。それは、精神を覆すばかり、目を眩ますばかり、分別を飛び去らすばかりであった。」岩波文庫:完訳千一夜物語13、p290-291◆2年半前にうpしたドラビアンKAITOの動画(http://www.nicovideo.jp/watch/nm11849789)で使った一枚を、背景を変えて、アラビア文字を加えて再構成してみました。アラビア文字は千夜一夜物語(ألف ليلة وليلة)と書いてあるハズです。wikipediaが正しければw。アラビアンナイトの中で歌姫の話はサラーマーくらいしか出てこなかったので。。
2013-03-20 12:56:46 +0000