仮にも一応「鳥類」でもあるこのドードー・ホスピタルに不可欠なものは水と食料である。
友人の運び屋が持って来た巨大な果実と医療品、そして水の入った大きな瓶の中から「清い水に住まう精霊」が現れた。
「成程、どうやらこれは医療用としても使える清らかな水らしいな」
男が巨大な果実を軽々と肩の上に担ぎ上げて大らかに笑う。
「そりゃこいつは例の温泉から分けてもらった水だからなあ」
「火熊の湯か」
「あそこのポスターを貰って来たが、こいつを待合室に貼ったらどうかね、医者の先生よ」
「気が利くな。湯治の必要そうな患者もいるからな」
そんなやり取りの後、私は巨大なストロー(ホスピタルの「給油用」の特注品である)を、現れた精霊に手渡して言った。
「せっかくだ。そこの精霊。こいつに貴様の美味い水を飲ませてやってくれ」
トロシリカと名乗った精霊と清らかな水を前に「珍妙な病院」が嬉しそうに尾羽を振る。頭の良さそうな鳥には見えないだろうが、仮にも医療に携わる鳥であり、清らかな水はそれとわかるのである。生真面目そうな精霊が口元に笑みを浮かべてストローを手に取った。
移動宿の主(つい先日行き倒れていた所を助けたばかりの男である)がこの様子を目を丸くして見ている。
<とある病院の医療日記より>
■お借りしました。【http://p.tl/t/2114267】で描いて頂きました(お礼にちょっとだけ声が美しくなるのど飴をプレゼント)「風見鶏亭」(http://p.tl/i/34144934)■ほんのちまっとですが火熊の湯(http://p.tl/i/34302076)■肩に乗せて頂きました。長年の友&いつもあれこれ依頼してるお得意様だったりするといいなと思いましたオーリさん(http://p.tl/i/34158852)■綺麗なお水ください!麗しのトロシリカさん(http://p.tl/i/34175302)■ネーミングに一目惚れ!カート・コヴァーン(http://p.tl/i/34265516)■給油しにきてもいいのよ!うちの(http://p.tl/i/34149277)★リンクミスってました!失礼しました!
2013-03-18 15:30:45 +0000