某日、革命派要員ボニファーツ・ダールマンが護衛を連れているものの単身で保守派の拠地へと足を運んだ。会談を望んだのは保守派隊長リディゴ・アモールディア氏。 ただしダールマンは決して剣を握りやってきたわけではなかった。丸腰で行われた会談。内容は互いの勢力の支障にならない程度の互いの勢力の情勢。軍部分裂による人民の反応と世論について。 やや時間の過ぎた42分の会談のあとダールマンはここへ来た内心的な理由としてこう語った。 「我が革命派の隊長は貴方を【政府の犬】と呼んだ。私も32年、準軍事少年団時代を含めれば36年、この王国が為に国境を抜け戦ってまいりました。私は内地で警護だけの任務につく者達を信用していません。ですが革命保守、総体違えど同じくしてこの王国の人民を思う軍人に【政府の犬】などとは言えないはずです。私は革命派に潜むアナーキズム(無政府状態)に一寸恐怖した、だから揺るぎなく人民を思い、この王国全ての軍人を【同胞】とする方と少しでも良い、話がしたかった。これが私情としての面でここを訪れた理由です。これがタダの考えすぎであればいいのですがね」 ダールマンは怯えるわけでなく、しかし不安げな大きい背中を見せてその場を後にした。 協力者:保守派隊長、リディゴ・アモールディアさん【illust/31323023】
2012-11-28 16:23:30 +0000