1972年、営団地下鉄9号線(現東京メトロ千代田線)との相互直通運転用に製造され1977年までに6両編成9本、4両編成9本が登場。正面形状は営団地下鉄6000系の正面デザインに負けぬように左右のガラスを傾斜させる斬新なデザインで小田急初の一段下降窓を採用しました。乗り入れのため車両の幅は2870mm(通常は2900mm)に抑えられ運転台にはATC装置などが取り付けられました。機器面では界磁チョッパ制御を採用、電気制動が発電・回生の複式で制動初速などで自動選択される仕組みになっています。
1978年3月31日より直通運転が開始され、ラッシュ時の百合ケ丘~生田間通過の通称スキップ準急(1990年3月廃止)も登場するなど小田急線に大きな変革をもたらしました。1988年9000形の正面デザインを引き継いだ1000形が登場。1990年3月、9000形は営団地下鉄千代田線との直通運転を終了し地上線専用となりました。2000年、4両編成6本が8両編成3本に統合され、地下鉄線内での高加速力を各駅停車に引き継ぎました。
しかし先ほどの発電・回生制動が扱いにくいと乗務員に嫌われ、保守面でも手間がかかる等、社内で嫌われるようになり3000形の大量増備で運用を失い2006年に引退しました。
9000形が残した痕跡は今も1000形、2000形の正面デザインに、界磁チョッパ制御は8000形未更新車に引き継がれています。
■9000形は1971年に製造されましたがここでは本格的な増備に入った1972年を基準とします。
2012-09-11 09:13:04 +0000