ニンニックマ

サッカン

気付いた時はもう手遅れだった。 そのクマ達は巧妙に近づいて来た。弛緩し、だらけきった雰囲気で、親しげに話しかけて来た。茶色のクマなどは、丁寧な敬語で話しかけて来た。いい気分だった。 いつしか彼も、クマ達とダラダラする事に安らぎを覚えるようになっていた。 …終わりの時は、ある日突然やって来た。いつものいたずらだと思っていた。クマ達は、被り物をして近づいて来た。近づくにつれ、臭いが酷くなって来る。いたずらでは済まされない程の悪臭…彼は逃げようとしたが、その時はすでに身動きが取れなくなっていた。今際の際に彼は見た。それまで殆ど表情を変えなかったクマ達の、ゆがんだ笑顔を…。

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2009-01-25 09:42:55 +0000