「蓮子…」 薄暗闇の中、マエリベリーハーンこと、メリーは小さく呟いた。 周囲には全く見覚えのない男共、下衆な笑いを浮かべ目的を話してきた 「目的は宇佐見蓮子、お前を人質に思うがままにしてやる」 それは嫉妬だった。 蓮子に一方的にあしらわれたのが余程気に食わないらしくそれを恨みに思って 勉学の能力が劣り、男の尊厳とやらも傷付けられたというくだらない理由だった。 ……そんな連中に不意をつかれ捕まってしまって薄暗い廃墟に捕まってしまった。 悔しさに唇を間で睨みつけてもどうにもならない……。 「蓮子……来ちゃダメ……」 その小さな呟きは声にかき消された。 「メリー!!」 どんよりと漂っていた陰鬱な空気を打ち砕くそれは蓮子の声だった。 「蓮子……!」 先程の言葉を裏切るような展開にメリーは涙を流し悦んで迎え入れた。 メリーを捕まえた男たちがすぐさま蓮子に視線を向ける。 欲望にまみれた視線は蓮子に注がれ、彼女はそれを完全に無視する。 「メリー…、積もる話もあるでしょうけど…こんなのに捕まってちゃ世話が焼けるわね……、待たせてごめん」 視線をメリーに向けながらそう申し訳なさそうに謝罪し、漸く視線を男たちに向ける。明瞭な怒りの炎を瞳に宿し拳を握り締める。 「そいつを捕まえたのはお前を――」 蓮子に睨まれ人数、そしてそもそも目の前の少女はか細く勝てるわけもないとタカをくくり得意げに喋り出した男の顔面にに金属製のバールが直撃する、男は衝撃に失神しその場に倒れた。 メリーを拘束するロープを掴みぴょんと飛び跳ね、弾むようなリズムで蓮子はメリーに視線を向け 「こいつらを片ずけたら…ケーキ奢ってよね?」 あまりに不遜な態度に残った男たちは声を上げる 「ふざけるな!お前は一人で俺たちに――」 その男も降りおろされたバールが直撃する。 「あんたら…メリーに手をだして…ただで済むと思うな!全治6ヶ月程度は覚悟しなさいよ!」 「私は物理学者だ!」 あぁ、蓮子……あんたはとってもかっこよくて輝いているわ。 こいつらを物理的になぎ倒す姿はとんでもなくスカっとするわ、もっとやって! だけど、あなたの言う物理学は間違っているわ。 超ひも理論は物理学=HL2のフリーマンは物理学者(物理)=超ひも理論=物理学(物理)=蓮子は物理学者(物理) QED
2012-06-20 01:23:00 +0000