エンドランド陣営内、魔導騎士団ジーリオに与えられた棟の一室。
腐肉喰らいの魔女は、小さく砕かれたたゴーレムを楽しげに組み立てていた。
魔法で組み立てればたやすく形作ることはできるが、戦の勝利と崇敬する王の元へ霞の竜剣を捧げることの叶った満足感からくる気まぐれか、自分の手で一つ一つ。
「お嬢様、夜も深いというのにいつまで遊んでいるつもりだい?」
突如降ってきた声に驚く様子もなく、魔女は天井を仰ぐ。
「サタナキア(illust/27392312)お兄様、そのように天井でお茶会をしてはまたディアマント(illust/27321778)にお小言を言われてよ?」
魔女は仄かに諌めるような声音で囁くが、天井の声の主は逆さまのティータイムを辞める気はいささかもなさそうだ。
手に持つカップから暗赤色の紅茶を一口飲み、再び口を開く。
「まぁまぁ、そんなことより、なんだか面白そうなことをしているじゃないか。
ソレは…ふぅん、その魔術回路から見てエルドール産のゴーレムのようだね。拾いものかい?」
「えぇ、そのようなところですわ。
先ほどヴェル(illust/27497079)に頂きましたの、ほら、お分かり頂けるかしら?かすかに…」
「あぁーなるほど、その卓上に転がった氷、懐かしい魔力だねぇ。
チェーザレ(illust/27373485)のものだろう、彼が居なくなってから大分経つけれどまさか生きていたとは。
それで、懐かしさであの悪趣味な運命狩りのお嬢様方から貰い受けてきたのかい? 君も物好きだねぇ。」
揶揄する様な声音、それを魔女は心地よさそうに受け流す。
「それだけじゃありませんのよ、ほらご覧になって絡みついたこの金鎖。運命の女神様は相当にこのお人形がお気に入りのよう。
ふふ、このお人形には様々な因果が絡みついている、一つ一つ組み立てるたびに複雑な魔力が流れてきますの。とても不思議だわ。
そんな変わったもの、捨て置くには少々惜しいでしょう?」
「それでお人形遊びというわけか。まったく、お嬢様はいつまでたってもお嬢さんのままだねぇ。」
「嫌ですわお兄様、私ももういい年ですのにお嬢さんだなんて。」
深い夜の闇の中、かすかに笑い声が響く。
それは戦の終わりの、ひと時の戯れ。
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こちら【illust/27862460】でクレイドルさんのボディをヴェルザンディさんから頂いたということでお持ち帰りして組み立ててみました。
不都合などありましたら全てパラレル!ということで!
【お名前だけですがお借りしました】
ディアマントさん、ヴェルザンディさん、チェーザレさん
【お借りしました】
サタナキアさん:illust/27392312(神出鬼没なようなので、重力魔法で天井お茶会してもらいました…!)
クレイドルさん:illust/26929156(アイスドールさん:illust/27862871)
腐肉喰らいの魔女ヴェドヴァ:illust/27266387
2012-06-10 12:25:02 +0000