「なんとも華やかな刃の花…
あれでは死にぞこないのナグルファルといえど死んでしまうのではないかしら。」
戦場に不似合いな喪服に身を包んだ女は暗闇に輝く魔法陣をうっとりと見つめ、冗談めかしたように呟いた。
女の横には女同様闇に溶けるような黒い服に身を包んだ老紳士と青年が控えている。
「ヴェドヴァ様、あまり前に出られませんよう。
あの紋章…あれは恐らくエルドールの書庫番共、サタナキア様より聴く通りでしたらその魔術の腕は侮れません。」
低い、渋みのある声で老紳士は言う。
「奥様の身に何かあっては我々が困りますので、どうか我々の後ろに。
共闘の盟約履行のため、これより仕掛けます。」
青年はそう言うや否や、老紳士に目配せをした。
老紳士がその赤く輝く瞳を閉じ、小さく呪文を唱えると、暗闇には次々と上品なシルバーが浮かび上がる。
青年は空中に浮かぶシルバーを慣れた手つきでその手に取り、身を構えた。
「まぁ、侮られたもの…。私は仮にも不死王様直属魔導騎士団団長。
久々の大きな戦とはいえ、守られるだけの女じゃございませんわよ?」
二人の言葉を笑みを浮かべて心地よさそうに聴きながらも、
淑女然とした女はその身体より黒い霧を作り出す。
「腐肉喰らいの魔女と言われたこのヴェドヴァの腐蝕の霧、存分に味わっていただくことといたしましょう。
古竜に頭を垂れるディナーの皆さまに―…」
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【illust/27375949】→【illust/27384868】→此処
上空でナグルファルさんが戦闘中なので援護しに来たよ!という感じで!
不都合などございましたらパラレルということでお願いします。
【お借りしました】
ヴァルプルギスナハト
バフォメットさん(illust/26923854)、ビニィさん(illust/27268149)、エイストラさん(illust/26898538)
魔導騎士団ジーリオ
ディアマントさん(illust/27321778)、クーガーさん(illust/27285046)、お名前のみですがサタナキアさん(illust/27392312)
腐蝕の霧の元ヴェドヴァ(illust/27266387)
2012-05-22 15:40:30 +0000