冬期休暇から帰ってきてはじめの大安の日に、 副長クンと佐伯3曹は、仲人の師団長夫妻、お互いの両親と共に結納を和やかな雰囲気で無事済ませました。 佐伯3曹のお父さんと師団長は、幹部候補生学校や幹部学校指揮幕僚課程で同期でしたので、仲良しです。(佐伯3曹のお父さんは一般大学卒です。) 結納を終えた後の出勤日、まずは音楽隊隊長へ婚約の報告。
「噂では聞いていたけれど、凄く急な話だね?もしかして授かり婚?」
「いえ、違います。親の意向ですので…。」
「ふうん…。ところで馴れ初めは?」
「ご存じかと思いますが、お互い同じ高校でしたし…。高校時代の3年間と、彼女が中央音楽隊時代の半年間付き合っていたわけで…。まあ…再会した去年の春は、自分に婚約者がいたわけですが、年末にああいう結果になりましたし…。彼女が自分にプレゼントしてくれたあの楽譜が、復縁の決め手かと…。」
副長クンは、結婚までの日程を簡単に報告。 入籍する3月には、佐伯3曹と同居したいと希望しました。入籍の日は佐伯3曹の誕生日であり、方面隊音楽まつりの日。 お役所はお休みなので、広島から佐伯3曹の両親が出てきて、休日窓口へ提出するそう。入籍の日を知った隊長は何か思いついたみたいです。副長クンの結婚話が駐屯地中に広まりました。 もちろん相手が音楽隊隊員であることしか知らない副長クンを狙ってる女性自衛官たちは驚きます。(もちろん、馴れ初めとか知らないわけで…。) 女性自衛官隊舎に住んでいる佐伯3曹。 ある日、大切に持っていた初舞台の時に副長クン(当時防大生)と撮った写真が破られ、副長クンの部分がなくなっていました。まあ、それだけではなく、何かがなくなっていたり、壊されていたり…あることないこと陰口を言われたりで嫌がらせを受けていました。それに気づいた副長クンの姉、大山晴海2曹が副長クンを引きとめ、佐伯3曹のことを訴えました。もちろん副長クンは今までないくらいに怒ります。佐伯3曹と同じ寮に住んでいる部下に聞いて真実だと知った副長クンは、夕方隊舎へ。入ることが出来ない副長クンは、大声で、隊舎へ向かって怒鳴りました。 するといつの間にか、佐伯3曹の大切にしていた写真…テープでなくなっていた部分が張り付けられていました。 嫌がらせは完全にはなくなりませんでしたが、副長クンと佐伯3曹の絆は、さらに強くなったのでした…。
2012-03-13 14:30:11 +0000