今日もマイナーどころでゆきますよ~
昭和の30年代末ごろまで、全国いたるところの河原に川砂利採取の貨物線が敷かれていた
関東一帯にも多数が存在し、国鉄はもとより、大手私鉄も多数の砂利取り施設をもっていたのだ
現在の姿からは信じられないが、京王相模原線や西武多摩川線、JR武蔵野線の一部等はみな多摩川の砂利を運ぶために敷設された貨物線だったのだ
これらは多摩川の砂利採取が禁止される昭和39年前後を境に旅客専用路線へと変貌してゆく
さて、西武の砂利線といえば多摩川線(当時は是政線と言った)が有名だが、埼玉県下にも同様の路線が幾つか存在した
池袋線の元加治から入間川に伸びていた砂利線はマイナー過ぎるとして、
新宿線の南大塚から入間川へと伸びていた安比奈線は後年に別の意味でも有名になった
貨物営業をやめた砂利線の多くが道路転用され線路が剥がされたのに比べ、
この安比奈線だけは入間川縁のヤードに至るまで殆どの部分で線路がそのまま残っている
もちろん、営業列車は一切走っていないが、この路線は今でも「休止」線で廃線ではない
一時期、終点の安比奈に新宿線の車庫を作る予定があった
しかし、平面交差する東京環状こと国道16号線に対する路線改良の目処が立たないこと
終点の本川越からでは安比奈方面に直通できず、デルタ線を新たに作るにも南大塚周辺は住宅地で開発の余地がないこと
新宿線の輸送力にこれ以上の向上の必要性がなくなった、等の要件により車輌基地構想は立ち消え、
以来、安比奈線は手付かずのまま、休止して半世紀以上が経過した
ところどころ線路は剥がされ、一部は遊歩道化されたが、
それでも砂利を運んだ当時のまま武蔵野の雑木林の中をひょろひょろと線路が伸びている姿は異様でもある
2週間ほど前、久々に安比奈に行ってみた
ここを訪れるのは15~6年ほどぶりである。当時は今ほど手が入っていなくて、廃線そのものだった
鉄橋の上、枕木を踏み外さないように怖々渡った覚えがある
しかし住宅地が増えたというのが最大の実感か。やはり緩やかにでも開発は進んでいる
近い将来には突然全てが撤去されてもおかしくは無い。小川に掛かる鉄橋など老朽化で危険であることも確かだ
記録に留めておくのも早めが良いのかもしれない
最初に訪れたときは、南大塚から安比奈のヤードまでを全線歩き通した
永らく、どんな列車が走っていたのかナゾの路線であったが、
どうやらED14が貨物列車を牽いていたらしい。他の古典電機たちも入線したに違いないが、今回はそのED14 3を描いてみた
後に、この電気機関車は近江鉄道に譲渡され、今も彦根で見ることが出来る
>追記
どうも車輌基地構想は諦めてないようだなぁ
90年代末には無期延期になったはずだが、水面下では進めているようだ
というか、的場方面延伸なにそれ?聞いたこと無いんですけどwww
いずれにせよ、手早く比較的安全に廃線跡トレッキングが出来るので、いまのうちに
僕みたいに林道の崖下に下りて「レール見つけたヒャッホー」なんてやるより全然安全だ
2012-03-02 07:52:08 +0000