玄関からドタドタと駆けてくる足音。
「スタン! スタン!! スターン!!!」
琴音さんの声だ。 えらく慌てている。
「取れた! 取れた!! 取れたー!!!」
見ると両手とお腹に先日初音が持っていたぬいぐるみが。
「どうしたんですか?そんなに慌てて。」
「ローズさんのぬいぐるみを3つゲットしました。」
聞けば駅前のゲームセンターで見つけて見ていたら、俺よりちょっと若いくらいの男が欲しい物を取るのによけたのをもらったそうな。
「3つもくれたんですか?」
「いいえ、1コだけよ。残りの二つはじーっと機械を見てたら店員さんが来たので、『妹たちにも欲しいのシクシク』って言ったら出してくれたの。」
「………泣き落としっすか。しかも一個として自分で取ってないし。」
俺をダマしたときは言葉遣いから大人なのかと思ったけど、この人今年で16なんだよな。16で泣き落とし…全くお子様なんだから。
「今、レディ(淑女)に対してすごく失礼な事を考えていたでしょ。」
「まぁそれはおいといて、まずは靴を脱ぎましょうか。」
聞いた途端に真っ赤になって琴音さんは玄関へダッシュ。
だから、靴を脱げってば。
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2012-02-24 05:36:08 +0000