暫くはこのままで居たいな…と姉が思っていた途端、ドタドタと廊下を歩く音が聞こえてきた。二人はそれに驚く間もなく、襖の開き主を見た。それが開かれる前にそれが誰だか知っていたし、自分たちを見て如何なる反応をするかも知っていた。
「ねぇさーまー。って、姉様!?颯馬も居たの」
おまけのような言い草にも男・天城颯馬は笑みを崩さなかった。信長の実妹であり、自分の義妹である乙女は姉が撫でられる姿を見た信行は呟いた。
「姉様だけズルイ!私も~!」
仲間外れにされたと思ったのだろう。姉を押しのけて自分もと彼の手を掴もうとする。
「何をする信行」
「私だって…颯馬にして欲しいもん。姉様だって十分して貰ったからいいでしょ」
ムッっとする姉と駄々をこねる妹、容姿は頭一つ違っても姉妹は姉妹なのだと颯馬は苦笑する。喧嘩にはなるまいが、う~う~と睨み合うように二人は独占しようと目の前で唸る。
「ほら。じゃ、二人とも俺の前に並んで」
「何するの?」
応え方も一緒に、颯馬は右手を信長へ、左手に信行へと伸ばし、それぞれの頭の上においた。そして先程と同じように優しく撫でてやる。
「これで同じだろ。文句は無いよね?」
「ん…」「あっ…」
猫が頭を撫でられてゴロゴロと機嫌良く喉を鳴らすように、この姉妹も颯馬に素直に甘えている。
(これが二人にとって一番いい仲のとり方だよな…)と颯馬は心の中で呟いた…。
●ちょっと前に描いた信長さんの今度は信行ちゃんバージョン。
ピンク髪塗るのが楽しかったです♪
頭がちょっと大きくなってしまった…(ノω・、)
こちらのSSもマイピクさんが考えてくださりました。ありがとうございますヾ(@^▽^@)/
2012-02-20 09:41:29 +0000