【illust/24616507】の続きです。
「この世界の価値を知らない人が、一体この世界で何を成就するというの」
凄まじい破壊音と共に天井の一部が崩れ、何故か場違いに華やかな香りが部屋に満ちた。部屋中の人が一瞬気を取られた瞬間、鉄格子をも切断する剛剣で、部屋中のワイヤーが叩き切られていく。
「従者……!?」
空中の武器が次々に石鹸水に包まれて動きが鈍り、水と風の魔法に長けた『ただの洗濯屋』(illust/24535592)が呟いた。
「想像力の翼を持って生まれた事に今、心底感謝しているわ。副業持ちの文筆業って大変よね、色々と」
一体どうやってこの早さで、あの船からここまで辿り着いたのか。オオトモが唖然としつつ、肩に鮮やかな炎を纏った男の背中から軽やかに降り立ったエアリエルを見て、ふと思い出す。
そういえばこの『洗濯詩人』は、いつも楽しげに文通している相手の男の名前も素性も、何故か一度も語ることはなかったということを。
「夢も、野望も、志も、愛も、心に紅い炎を燃やし、茨の道に花を咲かせることよ。だから、可愛い紅梅、こんなところで滅びてはだめよ。だって私、この世界の美しさをまだ、あなたに教えきっていないもの」
〈とある雨の夜の話〉
■ハイパーダイナミック横槍失礼します!文筆業の風上にも置けない(褒め言葉)方がいらっしゃるときいて!ワイヤーを切断した上に石鹸水で武器を搦め捕ってアンサイさん(http://p.tl/i/24651923)の無効化を計ります。
■正体がばれたらタダじゃすまないので助けるだけ助けて遁走したい、洗濯屋で詩人で実は超巨大な星の欠片(http://p.tl/i/8617787)所有者の妹姫(http://p.tl/i/8532882)と誓いを(http://p.tl/i/10658687とhttp://p.tl/i/8874592)交わした文通相手、大戦中は従者を始末する従者側にいた剛剣の志士(http://p.tl/i/8873764)、そしてみんな大好き可愛い紅梅(http://p.tl/i/23114747)
■ちなみにタイトルは有名な曲。邦題は「やさしく歌って」。
2012-02-01 16:58:20 +0000