【PF4】友達と呼ばせて

AKINONA(あきのな)

「喧嘩できる友がいるというのは、幸せなことだ」寡黙な男が言った。
「そうよね。まったくもって、その通りよね」
 赤い紐で特徴的な髪を結い上げた『洗濯詩人』が洗い立ての布を手に笑う。
「やるべきことをやったら、迎えに行くわ。戦う友の服を洗うのは、私の仕事だもの。それに、まだ、教えてないことがいっぱいあるわ」
「教える?」
「女同士の秘密よ」
 シャボン混じりの春の風、そして、回復魔法を込めた歌声が、燃える街の上空から降り注ぐ。
「戦う友を喪うのは一度でいいの。二度はいやよ。でも、私は詩人だから、意志持つ人達の生き様を止めてはいけないの。ああ、矛盾ばっかで、困っちゃうわ、私ったら肝心な時に不器用なんだから」
 この詩人が手紙もなしに突然来訪することなど今までになかったことである。
「そんな貴女の生き方に、救われた者もいる」
「……あなただけは巻き込みたくなかったわ。それなのに、何故、こうして来ちゃったのかしら。卑怯よね」
 従者同士の殲滅戦である。詳細こそわからないものの、決してどちらとも相容れることのない立場の男の肩の上で、エアリエルが目を閉じた。
「あの時、我が友の意思を尊重して貰った。その時の礼を返そう」
 巨大な剣と、二人共通の友だった男がよく使っていたものに似たオウギ製の刀が夜の炎に煌めく。「詩人たるもの自由に生きる、と貴殿はいつも言っている。ならば、心も自由に」
 詩人というのはこの世界いついかなる場所でも自由に生きていくことができるが、自分の心には囚われてしまうものらしい。
「そうね。ありがとう。そう、今度は私、友達を迎えにいくの。そうしたいから、するのよ」
 赤い炎を持つ志士の肩の上で、緑の髪が揺れた。<燃え上がる夜の片隅にて> 

■ザンクトリアのハイネンさんの元へなら一瞬で飛ぶことができるので、そこからいつもの手紙に名前を書いてオオトモちゃんを追ってきました。道中街がひどいことになっているので商売道具フル活用でキレイにします。きれいな布や回復がご入用の方はテイクフリーです!■船で働く際にたっぷり補充した石鹸+風と水の魔法(中級〜上級レベル)+春風の竪琴+大戦中に教わった『呪歌』で、全自動消毒乾燥回復洗濯機してる詩人【http://p.tl/i/8532882】星薙最終話(http://p.tl/i/10658687)以降久々のタッグです親愛なる文通相手【http://p.tl/i/8873764

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2012-01-25 23:26:26 +0000