見渡す限りひとっこひとりいない辺境の、幾つもの鐘楼に囲まれて建っている古ぼけた屋敷には娘がひとり住んでいました。 かつていた数人の召使いたちは娘が帰らぬ留守の間に財宝金貨を抱えて皆いなくなっていました。 まだよまだよと寝かしつけるように、もうじきすぐにと目覚めるように。 屋敷からは絶えず鐘の音が響いていました。
2012-01-19 00:32:14 +0000