-同郷の男性隊員による手記-
「その未亡人的な佇まいは、あの滑稽な彼女とは思えない程に魅力的であった。もしこのまま彼女の傷が癒えないのであれば
私は彼女に人生を捧げたい。今の私の心は王女を守る騎士だ。初恋の女性さえ、この王女の前には及ばない。」
-アルダ・ヴェローチェの学友による手記-
「私は時々思ってしまうのです。隊長は、あの悲しそうな目の奥に、一体何を見ているのだろうかと。私たちが命を散らした時、
本当に心から涙を流してくれるのだろうかと。私には分からないのです。――――あの人はいつも笑顔だから」
『名を捨てた男、此処に眠る』
2011-09-21 10:15:14 +0000