「だめだめ、こんな薄っぺらな扉じゃ…隠れたって意味無いよ」 大よそ5センチほどの分厚い鉄扉をいとも簡単に引き裂いて顔を覗かせる瞳に腕、絶望とはこのことなのだろうか? 「そんなに震えなくとも、"私を祀る”ならば命は奪いやしないぞ?信仰し、祈るだけで望みがかなうのだぞ?こんなに信者に優しい神は存在しないぞ?」 暗がりからでも分かる瞳はぎょろぎょろと蠢いていて此方を眺める、口元には裂けてしまいそうなほどに吊り上り、獰猛な笑みを浮かべている。 …一人、また一人。その言葉を聴いてからか、それとも命を守るためか 彼女の足元にひれ伏してゆく 「私は信仰するものに、とても寛大だ…が。信仰しない者には残虐だ」 ぎょろりと私を見る三つの瞳、彼女の言う“信仰しようとしない者"はもう私しか残っていなかった、禍々しい力が私に向けられて全身から力がぬけて床にへたり込んでしまう。 「この姿が恐ろしいか?醜いのか?」 私は鉄戸を引き裂いた左手で首をつかまれつるし上げられる苦しさに顔が歪んでしまうが、そんな事は関係ないと笑みを浮かべたまま言う 「くっひっひっひ…、案ずるな…お前も時期こうなる」 左手の指から放たれた何かが私を貫いて、あっという間に浸食する 「ほんの贈り物。もとより屈した心だ、なにも体裁を整えるために拒む執拗も無い、受け取れ」 左目が熱い、変わる、換わる。私が変わる、もう何も気にすることなく 生きれる力。 彼女の 目の前の笑みに 私も獰猛な笑みで答えて見せる。 その瞳に映るどろどろに攪拌されたような自らの瞳を私は喜びとともに受け入れた。それを確認して神は私を解放してすたすた歩いていく。私も神についていく。 最近発見したバイオレンスケロちゃんが大好きすぎたので臨人 矢同さんにお許しをいただき、描かせてもらいました。 あの独特の禍々しさが出せない… 上の文は妄想が膨らんじゃった結果です。それだけです。 ごめんなさい
2011-06-02 18:08:50 +0000