■東北地方太平洋沖地震に被災された皆様、心からお見舞い申し上げます。投稿自粛も考えたのですが、自粛することで何になる、という思いと、私ごときのイラストでも、更新するということで誰かに希望を与えられるかもしれないという思いから、いつもの通り投稿しています。■今回のお題、「1970年代デビュー」は予定の通り、九州ブルトレ四部作の第三作目です。九州島内を走行中の「富士」、門司機関区にたたずむ2両のED76に続く今回の作品は、旧品川運転区で翼を休める14系寝台車です。■1950年代生まれの20系寝台車との対比で「ニューブルートレイン」と呼ばれた14系は1970年代初頭の生まれ、悼尾を飾る15系は1970年代末の生まれということで、14系の車令は40年近くになります。これは、かつての旧型客車末期の彼女らの車令に匹敵するのではないでしょうか。思えば大事に使われたものです。■そしてロケーションの旧品川客車区。ブルトレ全盛期には、対東北の尾久と並んでたくさんの対九州ブルートレインを擁する車輌基地でした。あさかぜ、さくら、はやぶさ、みずほ、富士、出雲、瀬戸に銀河…。これらの客車たちが勢ぞろいした光景は、さぞや壮観だったことでしょう。■実は、これを描いた2009年、年頭から1月末までの3週間は埼玉県和光市に行っていました。ちょうどムーミンことEF55のお別れ運転などもあり、休日は撮り鉄三昧の日々を送ることができたのですが、東京口での九州ブルトレももちろん、被写体になりました。お立ち台通信に掲載された藤沢のほかに、品川駅でも撮ったのですが、撮影終了後、ホームの東京側に行ってみると…「あっ、これ、今、私が描きよる風景やん!」この光景って、品川駅臨時ホーム端で見ることができたのですね。■さて、イラストですが、当時は285系サンライズと並んで併結された状態で留置されている「はやぶさ」「富士」を、イラスト上の演出です、分割して留置し、さらに予備車でしょうか、もう一両の客車も描きました。後ろには、東京都心のビル群が見えるハズなのですが、今回も主題を引き立たせるためという言い訳で、省略しています。■今回、イラストを描くために14系と15系をよく見比べましたが、細かいディテールはかなり違っているものだと、改めて認識しました。■初出:ネコパブリッシング社「レイルマガジン」誌2009年5月(#308)号
2011-03-13 15:07:35 +0000