音楽がさざめいている。金色の吊り飾りを鳴らして、旅人は青い岩を見上げた。壁面に晶出した音葉石の量は奇跡と呼んでいいものだった。三人分程の高さの岩壁に浮き出た黒い枝の化石のその一面に、まさに若葉が芽生えたように、薄い鉱石が露出している。音森鉱脈、と芸人に聞かされた名を呟いて、旅人は赤い糸の張られた糸巻きを捩った。知らない歌だが、きっとこれも誰かの祖国の歌だろう。 ■【音森】岩壁に埋まった枝の化石から音葉石【illust/16831620】が生えた場所。特に大量の音葉石の芽吹いた地帯をこう呼ぶ。【鱗琴】ユスタキのシンプルな弦楽器。弦の数や色は身分、性別、熟練等によって細かく決められており、5本を超えるとなんかもう物凄いみたいな話になる。ミバルは4本。 ■アンサンブル・フォルンネオンスカ【illust/17060718】
2011-03-10 17:13:01 +0000