トライガルドが敗れつつあるマゼラン砦の廊下で2人の女が顔を見合わせていた。担当は違えども砦の世話をする女衆の中でも古株の2人はお互いによく見知ってはいたが、今はそれぞれ異国の装束に身を包んだ相手を推し量るように視線を交わしていた。
「あんた、なんだいその格好は」
「お前さんこそ何さ」
「いい年してまあ、あんたの旦那が見たら腰抜かすだろうね」
「馬鹿いいな、惚れ直すってもんだろうよ」
一呼吸を置いて、女たちは小さな笑みを浮かべた。
「で、だよ」
「皆までお言いでないよ、あの娘だろう?」
「とろっくさいし、ちょっと怒るときょどきょどするし」
「女中雇いなら二、三日でいびりだすところさ」
「でもいい娘だ」
「そうさ、いい娘だよ」
窓の外では剣の打ち合う音、異国語混じりの雄たけびが波の様に押し寄せてくる。
「あんたと意見が合うなんてはじめてだね」
「ふん、これっきりにしとくれよ」
扉を開けると、そこには2人と同じ装束に身を包んだ少女が居た。
驚く少女に向かって2人は笑いかけた。
「「ここはわたしらに任せてあんたは逃げな」」
■にせカリンディ【illust/16722959】さんがすきですきで、勢い余って特攻してしまいました。お逃げ!お逃げ!問題等ありましたら必殺呪文パラレル!でよろしくお願いいたします。■お借りしていました素敵枠【illust/15963772】■たくさんのコメントありがとうございます!はじめての経験でどきどきしております。
2011-02-27 09:50:55 +0000