illust/16900415 より・・・ ザイランス帝国旧振帝国領、密教都市ポウタラ、シヤリの塔の頂に人影・・・。 「ひいぃっ、やばかったぁ! あの鵺とかいう獣、ただの大猫ではないな! 久しぶりにワキ汗ものだった! あ、それを言うなら冷や汗か」 影、発するは、若い女の声。 「でも、そんな事言ってる場合じゃないぞ。確かにこの耳で聞いた! どうやら異国人と同盟を結ぶ手はずをとる気だな、何と言ったっけ・・・、ええと、ろで・・・、ろでりく・・・。まあいいや! どのみちジゲン様の仰せられたとうり、ポウタラのゲンバ一派に謀反の兆しあり、だ!」 続ける。 「さてヤスデ、これからどうする? あたしの遠話の術ではこの結界都市を抜けて言霊を送ることはできないし・・・。いっその事、刺し違える覚悟で悪党ゲンバめを襲うか!? 問題はあの大猫だな」 ・・・と、そのような一人問答がされている同刻。 先ほどの街路にて、ゲンバとザト。 「逃げおったか」 と、ゲンバ。 「これゆえ畜生などというものはいざという時に役にたたんのだ。鵺よ、お前の勇み足のおかげでネズミを捕りそこのうたぞ。お前がチン老師からの預かりものでなければ厳に仕置きしておるところだ」 ゲンバ、ザトに向き、続ける。 「で、何者かわかったか?」 ザト、答える。 「気配、振る舞いからして振国人。おそらくは雁道あたりの透破者かと」 ゲンバ、にやり。 「忍か・・・。我ら愛国者へのジゲン宰相閣下よりの特別の御計らい、というところであろうな」 ザト、それには答えず。 「で、いかが致しましょう? ゲンバ様のお許しあれば、ノキザルめを放ちまするが」 ゲンバ、言う。 「殺生はしとうないが、仕様が無いか。ポウタラは木造りの町ゆえネズミは困る。辺りかまわずかじりおるからな」 ▼・・・ピクファン裏街道ではあなたからの謀略・陰謀エピソードをお待ちしています。 さあ、レッツ裏切り! 我ら参るは裏街道、乱世とあらば致し方なし。
2011-02-25 08:32:51 +0000