南野ろん彼女はアークサンドヒルに館を構えるローウェル伯爵の一人娘として生まれた。 女であるにも関わらず跡継ぎとなるべくして育てられたが、彼女の胸の内にあった剣技への熱い情熱とその剣の腕を戦いの前線で試したいという野望は潰えることはなかった。 三国の戦争がいよいよ激化せんとする春、彼女は父親の前に立ってこう言った。 「お父様、私はこれから帝都にゆき騎士になることにしました」 ――当然のことだが伯爵はひどく怒り、彼女を部屋に閉じ込めてしまった。 しかし皮肉にも、世継ぎのための教育は彼女を男らしく豪胆に作り上げていたし、身のこなしの良い彼女にとって二階の窓から荷物を持って抜け出すことは全くもって困難なことではなかった。 かくして彼女は長年囚われていた牢獄のような家を飛び出し帝都へ向かった！ そこで彼女がその身を捧げることとなったのは、ガルガディアの数ある騎士団の中でも特攻部隊として尊敬され、また恐れられてもいる『蒼鴉騎士団』であった――
◇補足：illust/16344598 ◇Pixiv Fantasia V （illust/16194969） 参加キャラクターです
2011-01-29 10:15:53 +0000