つばめ@描き鉄■北部九州地区でも年に数度、雪が降ります。この絵を描きあげた'08年12月5日も明け方にかけて雪が降っていました。しかし、平野部での積雪となると年に一度あるか無いかの出来事。積雪に対する備えがほとんど無い九州では、たった5センチの積雪で大事件、大パニックです。■そんな北九州の、めったに見られない積雪した風景を描いてみました。走る列車は寝台特急「富士」、ロケーションは日豊本線南行橋駅の大分寄り、後に見える山は石灰岩でできた山、カルスト台地で有名な北九州の平尾台です。■普段は青空ばかり描いている私ですが、今回ばかりは灰色のカーテンのような厚い雲を描き、そこから雪を降らせてみました。■降りしきる雪に霞む風景を表現しようと、全体に落としたトーンの色を乗せ、主役のブルートレイン自体も普段より少しコントラストを抑えました。雪は、水彩色鉛筆を削って粉にし、水で溶いたものを古歯ブラシで散らして表現しています。しんしんと雪が降る、寒々としたイメージが伝われば幸いです。■さて、’08年11月末の新幹線0系の引退運転に続き、’09年3月には九州ブルトレの全廃が控えています。すでに小倉駅や門司駅などは最後のブルトレの活躍を記録しようと、多くのファンが集まっているようです。国鉄がJRに変わって22年、その頃に生まれた人たちも立派な社会人になっているんですよね。戦後の復興期に産声を上げ、以来半世紀もの長きに渡って活躍した九州ブルトレに、感謝と敬意を表したい思いでいっぱいです。■と、言うことで、今回の「今日は雪」から、九州ブルトレ三部作を予定しています。思えば、私のレイルマガジン誌へのイラスト投稿のきっかけは、「あさかぜ」の廃止でした。あれから4年、ついに来たるべき時がやってくる、の感です。最後の日まで事故が無いよう、安全な運行を祈るとともに、我々鉄道ファンも節度を持った行動を取りたいものです。■初出：ネコパブリッシング社「レイルマガジン」誌2009年3月(#306)号 ※キャプションは’08年12月に記載したものを若干手直ししただけです。
2011-01-15 14:55:40 +0000