「手袋忘れたわ。最低…」
寒い。今年の冬は一段と冷える。星の脅威が去って最初の冬だ。街は賑わっているし人通りも多いが、それを補って余りあるほどに寒い。
通りを行く彼らは揃って笑顔。揃って男女のペア、たまに子連れ。どういうことだ。
別に寂しいわけではないし、妬ましいわけでもない。ただ、そう、少し寒いだけだ。火が得意属性だし。
そもそも去年までは一緒にクリスマスを過ごす相手もいたのだ。巨大な爬虫類(?)だったが。
今日の街は何となく居心地がよくない。そうだ、帰りには教会にでも寄って祈りを捧げていこう。
ウチは魔族の混血だけど、親戚に神父をやっている人がいた気がするし、意外と信心深いのだ。そうなのだ。
…ああ、雪まで降ってきた。寒いわけだ。寒風に晒された手が冷える。
飾り付けられた灯りにちらちらと照らされる雪が眩しい。そこらを歩く人の笑顔が眩しい。
あぁ、寒い。爆発しろ。
■お借りしました!
ラガルティハさん【illust/8497676】
ゼーレンヴァングさん【illust/8498637】
シボさん【illust/8530812】
ペオラさん【illust/8688876】
某特戦隊長によく似たお二人【parallel】
テクスチャ【illust/8179212】
2010-12-12 08:26:34 +0000