rider中文标题 : 和温柔的影狼一起普通恋人的约会
次回 : illust/126109424
私は気が付けば草の根ネットワークの大切な友人達と共に過ごす時間と同じ位香霖堂に入り浸る事が多くなっていた。
香霖堂の店主、霖之助は半妖の生い立ち故か、人間特有の恐ろしさや居心地の悪さを感じないからだ。
ある日霖之助にとても口説いているとは思えない、自身を道具として説明するかのような言葉で口説かれた。
問いただすと、新しく入荷した夜の営みに使う道具の使い方を試すのに
子のような存在の霊夢や魔理沙は対象に出来ないので
恋人役として嫁入り前位に成熟した少女の姿をした妖怪の協力が欲しいとの事。
あまりの無神経さに言葉を失ったが、道具にしか興味が無い筈の男が恋愛の本でも読んだのか、
一応は恋人として筋を通そうとしている事と、
その裏表無い誠実さに自分は悪くない印象を持っている事に気付き、
一応、霖之助から提案された逢引きには行ってみる事にした。
外でも彼は普段のペースを崩さず、淡々と道具や歴史に関する話をしていたが、やはり退屈には感じなかった。
そもそも全く興味の無い男の家に何度も足を運んだりはしないし、
少し、いや中々に気持ちのすれ違いが有ったが、私の霖之助への印象は元から悪くない。
これまでよりも一日の内長い時間を霖之助と過ごすと、それまで見えなかった美点が見えてくる。
長い時間を生きている妖怪特有の幻想郷への詳しさ、逢引きに行く場所の豊富さや段取りの良さ、
長い寿命故の落ち着いた雰囲気、居心地の良い時間に悪い気はせず、
私の中で彼の存在は日に日に大きくなっていった。
もう少し気持ちを伝えて欲しいと感じる事も有るが、
その不器用さも可愛い所が有ると思う。
精神が重要な妖怪にとって、気持ちが満たされるのは何よりも大切な事。
長い妖怪の一生の中で、しばらくこの関係を続けるのも悪くないのではないだろうか。
相手は人妖の混血。寿命の差で傷付ける事も無く、相手として申し分無いのだから。
2025-01-10 13:30:18 +0000