「初めまして…私は『ライスクジラ』です。
あの…つかぬことを伺いますが、私の仲間…フレンズになっていないライスクジラの仲間を知りませんか?
他の子達にはフレンズになっていない仲間がいるのに何故か私の仲間はどこにも見当たらないんです…
スタッフさんにも尋ねてみましたが『遠い所にいる』としか教えてもらえなくて…
だから私、自分の仲間がどんな所でどう過ごしているのか…みんな元気に過ごせているのかが知りたいんです…
…ご存じありませんか?」
メキシコ湾北東部に生息するクジラ『ライスクジラ』のオリフレです。
ライスクジラはフロリダ州西部からルイジアナ州東部の沖合にかけての狭い海域にのみ生息しているヒゲクジラで、1965年に海洋生物学者のデール・ライス氏によりニタリクジラの地域個体群として紹介されましたが、2014年にミトコンドリアと核DNAの解析結果から新しい亜種・新種である可能性が高いとする研究結果が発表されましたが、この時には生物を定義するのに必要な『正基準標本(ホロタイプ)』が無かったことから新しい分類群の記述は見送られることとなり、2019年にフロリダ州・エバーグレーズ国立公園に漂着した死亡個体を使った骨格標本の作製と分類学的研究が進められた結果、2021年に新種である事が発表され名前を最初に注目したライス氏に因んで『ライスクジラ』とされました。
しかしライスクジラは現在50頭前後の生存しか確認されておらず、2010年に英国の石油関連企業『BP』が管理する石油掘削施設『ディープウォーター・ホライズン』で起きた大規模な原油流出事故の影響や船舶との衝突事故、更に個体数の少なさから近親交配のリスクも高いことから個体数回復は極めて困難とされており、世界で最も絶滅の危機に瀕している海洋哺乳類の一つとされています。
2024-12-21 14:22:47 +0000