今日は冬至です。
この時期になると年末のアレコレで意識を飛ばすくらい忙しかった記憶が……ウッ
そんな元社畜のオカメインコ審神者ことワタクシですが、冬至のといえば柚子湯とカボチャの煮物ですね。幼い頃、風呂に柚子を浮かべたり、カボチャの煮物を作ってくれた母の顔はもう思い出せませんけれど、代わりに本丸の母だのオカンだのママンだのがいっぱいいますから寂しくはありません。
今日も朝から、山へ柚子を取りに行ったり、厨ではカボチャ料理を作る良い匂いがしています。
刀剣男士の皆様も、ちょっとは身も心も癒やされるといいのですけれど。
まあ、インコであるワタクシには柚子もカボチャも関係ありません。
連隊戦でひっきりなしに出陣していく皆様を見送ったあとは、いつも通り本丸の見回りです。
そろそろ本丸の庭もうっすら雪化粧ですね。
ひらひらと舞い落ちる白い雪。ワタクシの羽根と同じ色の、ひらりひらりと空から落ちてくるふわふわの中をパタパタ跳んでいると、縁側にカボチャが一個、ころんと転がっているのが見えました。
おや?
誰か厨に持って行く途中で落としたのでしょうか?
怪訝に思って、縁側に舞い降りると、緑色のカボチャが縁側の床をすすすす──っと動き始めたではありませんか!
カボチャには足もないし、勝手に転がったりもしませんよっ。
「キャーッ!?」
思わず叫ぶと、くるん、とカボチャがひっくり返って、中から出て来たのは……火車切くんのお供「ふわふわ君」でした。
「あ~、ナーンダ」
ワタクシの身体の数倍もあるカボチャの中がぼっかりくりぬかれ、そこから顔を出しているふわふわ君──また、中身を食い荒らしてたんですねっ。
この小さい身体で、ふわふわ君はとっても食いしん坊です。明らかに彼の体積よりカボチャの穴は大きい……いったいどこに入るんでしょうねぇ……。
「歌仙さんや燭台切さんに怒られますよ?」
「ฅ( ˘^ ˘ ฅプイッ」
しれっとしてますけど、火車切くんの監督不行届になるんですよ。ほんっとに、この子ってば。
「どうしましょうかねぇ」
「ツンツン( *・д・)σ」
え? ワタクシにも食べろって?
さすがに生のカボチャを丸かじりするのは無理ですよ。あなたじゃあるまいし。
とお断りしようとしたら、ふわふわ君からぽんっと紅い粒々が飛び出しました。
あれは……小豆?
思い出しました。今夜の夕餉にはカボチャと小豆のいとこ煮を作ると、歌仙さんが言ってたこと。
ふわふわ君てば、その小豆までくすねてきていたんですね? ……どこに持っていたんでしょう。相変わらず謎生物です。
まあでも、気持ちはありがたく…小豆ならワタクシにも食べられますし。あ、カボチャの種も。
「アリガト」
パクリと口にすれば、嬉しそうに光る黒金の瞳。
ああ、冷えると思ったら降ってきましたね。
ひらひら舞う、雪の花。真白の桜の花びらのように、とてもきれいです。
きっと今夜は積もるでしょう。
今夜は一陽来復。陰が極まり、陽が生まれる日。
寒い冬を乗り越えたら、花開く春がやって来ますよ。
あったかい柚子湯に入って、みんな元気になーぁれ!
・・・・・
・・・
今日は冬至なので絵師さんからイラストをいただきました。ちょうどタグ付けで雪が降るエフェクトがかかるということで、雪を絡めた小話に。かわいいふわふわ君達に癒やされて下さいませ。
2024-12-21 12:47:36 +0000