湯河原温泉壁画コンテストの応募作品としてこのイラストを制作いたしました。
【イラストに込めたストーリー】
小説とは想像であり、言わば幻です。 湯河原に逗留した作家たちは温泉に浸かりながら作品の構想をねり、湯煙の向こう側に多くの幻を見たことでしょう。 この作品はそんな湯河原に逗留した作家たちが湯煙の向こうに見た「幻の湯河原」をイメー ジして制作いたしました。
手前に枝垂れ梅が優雅に垂れて、その向こうに不動滝と灯篭がぼんやり浮かびます。
机の上に散らばる紙は書きかけの小説でしょうか?手紙でしょうか?
実は私たちは、この机の持ち主が見ている幻をぞいているのです。
【デザインテーマ】
優美・ミステリアス・トラディショナル
・温泉はまず第一にリラックスする場所ですから、ゆったりお風呂に浸かって夢見心地になれるよう「優美」をテーマに制作しました。枝垂れ梅が天井から優雅に垂れて風に揺蕩っています。
・温泉に浸かっている人がぼんやり枝垂れ梅を眺めていると、ふとその向こうに描かれている机や逆さ富士に気がついて、この絵はいったい何だろう?と想像力を掻き立てられたら面白いので、ミステリアスもテーマにしました。
逆さ富士は水に映った幻なので、幻の世界の暗喩です。また普通の銭湯壁画とアベコベにする意図もあります。
・壁画が掲載されるThe Ryokan Tokyo YUGAWARAは日本をテーマにしたどこかテーマパークのようにも感じられる旅館でしたので、その世界観の延長にあるイメージで、アナログ画材なども使用しトラディショナルなイメージを持たせました。
※手前にある4本の線は屏風をイメージして描いたものですが、邪魔でしたら外せます。
またテーマパークのイメージから、アトラクションの背景や舞台美術のようにイラストの世界と現実の世界の垣根を曖昧にできたら面白いので、原寸大の橋と枝垂れ梅(左)を描き、壁画の世界への入り口にしました。
お風呂に浸かりながら壁画を見ると、壁画の中にも湯煙がただよっています。
お風呂という空間と壁画の世界がリンクすることで、お風呂場という空間そのものを不思議な世界にできたら面白い。そんな思いで制作いたしました。
ぜひ湯河原の地で温泉に浸かっているイメージをしながらこの絵をご覧ください。
どうぞよろしくお願いいたします。
2024-12-06 10:49:49 +0000