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それから数日、マリアとピエールは東京へ観光に行ったりしていた。そんな折、俊のところに「会社に一角を使わせて欲しい」という連絡を入れた、その翌日。
ピエール「突然すみません、ちょっと本国と連絡を入れなきゃならなくなりまして」
| -`)⋯秘匿回線使うんですね
マリア「俊ゴメンねぇいつも突然。緊急だって」
ピエール「あと、研一さんと唯さん連れてきていただけませんか、俊さんも、会議に入って欲しくて」
| -`)聞いてみますわ
⋯
⋯⋯
⋯⋯⋯
緊急の会議に入った日本人三人は、事態の深刻さに驚愕した。なんでも、「この近辺に、マリアたちが戦っている組織の施設が存在する」ということを平気で話すからだ。
| -`)『(ポケトーク使用)⋯とは言っても、ここで軍隊を使うことは出来ませんし、Ve3機も修理中です。私たちが今動くことは出来ないと思われるんですが』
軍司令「⋯そうは言ってもなあ、実際にピエールとマリアはそちらにいるのだから、手の打ち用を作っていただきたいのです」
ピエール「日本の警察に動いていただくことは?」
軍司令「こちらでも交渉はしているが⋯なにぶん国際問題に発展しかねないからなぁ、可能な限り隠密で行動をお願いしたいんだよ」
研一「んな、無茶苦茶な⋯」
唯「修理が終わってからじゃダメなんですか」
マリア「そこを、どうにか出来ない?」
全員「「「「うーん⋯」」」」
⋯
⋯⋯
⋯⋯⋯
会議を終えると、辺りに沈黙が流れる。無茶な要求をしてくるのは、どうやら万国共通のようだ。
ピエール「⋯本当にすみません、ですが、どうにか出来ないものか⋯」
| -`)⋯っつってもなぁ⋯、それこそ警察案件やろこれ
マリア「智多の友人が被害に遭ってる、って言っても?」
唯「は!?」
マリア「この前智多とあいが教えてくれたわ。私が止まってるホテルの娘さん、例のクスリの被害に遭ったって。ピエールと二人で現物確認もしたし」
ピエール「そこに盗聴器も仕掛けられていました」
その話を聞いた日本人たちは、顔を合わせる。
研一「⋯どうします?アレ、出してみます?」
| -`)『アレ』か⋯やむをえんやろ
唯「警察に言わなくても⋯いいんでしょうか」
マリア「?なんの話?」
| -`)⋯ええわ、まずは見てもらうべ。マリア、ピエール、ちょっとこっちに
会議室を出た一行はラボに向かう。研一は別行動をしており、部屋に着いた唯は急いでパソコンで操作をし始めた。
マリア「まだ、Veは修理中じゃないの?」
| -`)えぇ。だからこそ、『一応造ってあったもの』をテストしてみようと
ピエール「『一応造ってあったもの』とは?」
| -`)見りゃ、わかります
ガチャ⋯(ドアが開く音)
研一「お待たせしました⋯」
そこには、2体のアンドロイドが立っていた。
マリア「え!?Ve!?」
唯「⋯AY02Vの試作機です。片方の長い黒髪の子が「コードネームY」、もう片方の短い方が「コードネームT」です」
研一「単純に、髪長い方が唯、短い方が翼って意味っすね。⋯3体目は準備できなかったっすけど」
ピエール「2体運用も実施したことありますから。それはそうと、基本スペックは」
唯「もともと、フランス軍さんの動きをお願いしたかったこともあって試製Euro機となっています。修理中のVeさんたちと同じ指示・同じ動きが可能です」
研一「あと、例のお二人が無いからどうかと言っていた生殖パーツ、あのあたりが一切無いので、Veと比較して1.3倍の時間の駆動が可能ですよ」
| -`)ってか、ウチとして出来るのはここまでが限界ですよ。日本の警察に声かけてもらうとか、このVe2のぶっつけ本番運用とかは、それこそフランス軍さんからやってもらわんと。ウチは日本の一般企業ですからね
ピエール「十分です。これでなんとかできますよ」
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2024-11-28 03:00:56 +0000