左手につけた指輪を見つめ。
今まで歩いてきた道とこれからのことを考える。
幸せすぎて逆に不安になっている私がいるの。
「だいじょうぶ。これからも幸せな時間が続くから」
私は、その日々を壊さないように生きていきたい。
大きく膨らんだお腹を撫でて思う。
今この時この瞬間が何よりも愛しく感じる。
元気に生まれてきてくれるかな? この子にとって良いお母さんになれるかな?
少し臆病なママを許してくださいね、と願いを込めてそっとお腹を撫でる。
「だいじょうぶ。私のお母様になる人は、とても勇気のある立派なウマ娘だって。お父様になる人がたくさん聞かせてくれてるから」
膨らんだお腹の胎動が、何にも代え難く。もうすぐ会える。
小さな生命は私の腕の中ですくすくと育っていく。
抱きかかえた彼女は、いつの間にか私の事を抱きしめ返す力を身に付けていた。
小さな頃からあなたを見守ってきた私だけれど。こうしてあなたの事を知る度なんだか嬉しくなる。
私は、あなたにとって良いお母さんになれているかしら?
「だいじょうぶ。おかあさま、だいすきだから……」
寝言を言いながらふにゃりと頭をこすりつけてくる愛娘。
これから先、いろんな事があると思うけど。どんな困難でも一緒に乗り越えていきましょうね。
2024-11-25 05:22:41 +0000