「そんなバカなぁ!?」
いきなり、開幕からワンパンで飛ばされてお星様。
テマヤ同盟のタヴァターをあっけなくやっつけたユッフィーに、コロッセオの観衆も開いた口が塞がらない。
「説明しよう!」
ユッフィーは、タヴァターより少し小さいくらいの巨人になっていた。
彼女の胸に光る赤い宝石の首飾りから、パパさんの声がする。
「うちの娘は、巨人特効持ちだ」
観衆の視線が、ユッフィーに集まる。
「とある道化の策謀により、最終戦争へのループに囚われた北欧神話の世界」
「ドラジャニじゃない、だと!?」
パパさんの語りに、ざわめく観衆。
「そこに召喚された異世界の人型機動兵器は、世界を滅ぼす『炎の巨人』と呼ばれた」
「スーパー北欧神話大戦か?」
誰か、ノリのいい地球人がいるようで。
日本のロボットアニメには、北欧神話を元ネタにした機体や武装がやたら多いから。
それら全部をクロスオーバーとか、よくある発想なのだ。意外と実現してないけど。
「ループする北欧神話世界のヴァルハラで、炎の巨人に対抗すべく独自に開発された
巨人の試作初号機。それがうちの娘、ユッフィーだ!」
「おお〜!」
「萌え燃えきゅ〜ん♪」
心なしか、照れるユッフィー。
「お父様、ちょっと恥ずかしいですの」
そのとき、空が歪んだ。同時に、世界が揺れる。
「どうした!?」
「冒険の書の世界に、現実の影響が出始めたようです」
性格診断の女神の声が、あたりに響いた。
この世界は、ドラジャニ3に親しんだ地球人の「想像力」からできている。
現実でリメイク版の発売日を迎えれば、新たなバージョンに書き変わる…?
「うわあああ!!」
コロシアムに巨大な地割れが走る。みんな、地の底へ飲み込まれた。
この世界のリセットボタンを押したのは、あなた。
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ここから、HD2D版が発売された後のお話になります。
ようやく本編開始。
ゲームの世界そのものではなく、ゲームをきっかけに喚起されたイメージの世界。
2024-11-23 03:20:38 +0000