死滅して微細藻類に覆われたサンゴ群体

蒼海アクア

30℃以上の高海水温が長期間続くとサンゴ群体は組織内に共生させている褐虫藻を消化し、それらが少なくなるにつれて群体の色が徐々に薄くなっていく。そして、褐虫藻がいなくなるとサンゴの骨格が透けて白く見える白化現象が生じる。海水の錯乱が起こらない等でさらに高海水温が続くとサンゴは褐虫藻から栄養を得られずに死滅してしまう。死滅したサンゴ群体は少しづつ微細藻類に覆われていき、やがて汚い茶褐色に変貌する。2023年のスーパーエルニーニョの置き土産として起こった今年の海洋熱波によって世界中のサンゴ礁で1998年に匹敵する大規模白化が起こり、沖縄地方でも7~9月にかけて広範囲のサンゴ礁が死滅した。地元のニュース映像や個人が撮影した動画では一帯が死滅したサンゴによって汚い茶色の海底が広がっていて、見るだけでも悲惨な気持ちになってしまうばかりだった。地球温暖化による気候変動によってエルニーニョ現象の頻度や規模がどんどん多く早くなっており、サンゴの死滅からの回復が追い付かなくなり、いずれ海からサンゴが消えてしまうことが懸念されている。

死滅したサンゴ群体を描いてみました。種は枝状のミドリイシを意識しております。前述の通り、死滅したサンゴ礁の映像を見てるだけでも本当に辛く悲しかったのですが、それでも全滅というわけでもなく、深場だったり慶良間諸島のような潮通しの良い場所のサンゴ礁はほとんど無事だったというのが救いでした。そこから新しくサンゴ幼生が各地に供給されていく可能性がありますからね。それにしても、微細藻類の色を表現するのって意外と難しかった。

#coral#marine life#環境問題

2024-11-17 11:09:58 +0000