重巡勇者熊野で巡るソーサリーの旅~罠の都カーレ④

栗坊主

ブラックエルフたちの小屋を立ち去ると、すでに衛兵たちは通り過ぎており道を先に進むことにする熊野。
通りを少し進むと、小さな池があり覗き込むと岩陰から小さな銀色の魚が泳ぎ出てきた。
魚は熊野を見上げてブクブクと泡を出しており、なんだか話しかけてきているようだった。魚は誰かが投げ入れたであろう金貨の上を泳いでいる。
「あらあら、お魚さん。もしかしてこの池は金貨を入れると願い事でも叶いますのかしら?」
そう言いながら屈みこみ、何かを話そうとしている魚の声に耳を傾けようとする。
その刹那。
ビュッ!!
「きゃっ!?な、なにをするんですの!!?」
いきなり魚が熊野の顔に水を吹きかけたのだった。
魚が笑うことができたなら、きっとあざ笑っているに違いない。再び魚の口から泡が溢れ、聞き取りづらい声がかすかに聞こえた。
「まにちゅう(この先の馬には注意しな、ねーちゃん)」
そしてふたたび岩陰に泳ぎ去る魚。
「…とっ捕まえて焼き魚にでもして差し上げたいところですけど…まにちゅう…何かのアドバイスかしら…?」
湧き立つ怒りを抑えつつ冷静に魚の言葉を思い返してみる。
「なんだかよくわかりませんけれど…先に進むとしますわ…このっ!」
去り際に足元の石を池に投げ込むと小さな水しぶきが上がり、波紋が広がっていく。魚には当たっていないようだ。
先に進むと分かれ道にぶつかるのであった。

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2024-11-03 02:16:33 +0000