地下深く、果て無く広がるダンジョンのはるか奥底で、冒険者は彼女にまみえるという。
不気味に揺れるランタンの灯り、湾曲した刃を持つ巨大な鎌。
フードとローブで全身をゆったりと黒に包んだその姿。
フードの下にあるはずの顔は仮面ですべて覆い隠され、虚ろな眼窩の奥で紫光が暗く光る。
数多の敵を退け、無数の罠をくぐりぬけた歴戦の冒険者であっても彼女にはかなわない。
どんなに力があろうとも、いかに幸運に恵まれようとも、彼女を超えることはできない。
彼女は、人が人である限りけして超えることができないモノ。
彼女は、少女の姿をとって現れた運命の死である。
2024-10-24 23:23:17 +0000