【ポケサガ】白南瓜と青南瓜

音色

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「わぁ! おはなのかざりがふたつだ!」
「……? トコの事?」
 広い反転世界の会場にて、張り切っているオージャック達の時期族長が振り返った先には、ふよふよと浮いている同族がおりました。
 似たような白い身体をしておりますが、一族達とは違うのはその相手は青いリボンと薄いヴェール、そして手製らしい布の花飾りをつけているのです。
「うん! とってもすてきだなって!」
「えへん、トコはおしゃれさんなの! こっちはユキノが作ってくれたお花で、こっちはりんごのおねえちゃんがつくってくれたの!」
 褒められたトコハナも悪い気はしないものです。青い鬼灯を揺らしながら身に着けている花飾りを自慢すればニコニコと声をかけて来た青魂の民らしい南瓜も嬉しそうな表情でした。
「ぼくもね、このおはなかざりね、おくすりのおねえちゃんにつくってもらったの!」
 嬉しそうにくるりと回って見せる相手は、実に実に上機嫌でありました。
「えへへ、なんだかふしぎだな。ぼくね、こんなにたくさんのどーぞくをみるの、はじめてなの! さとにはね、おとーさんいがいはいなかったから、だからね、とってもうれしいんだ」
 どこか舌ったらずな相手は、似たような花飾りを身に着けたトコハナへ親近感を持ったのか。どんどんと問いを重ね始めました。どうしてこの祭りの手伝いをしているのか。普段は何をしているのか。その花飾りを作った相手はどういう人物なのか。まくしたてるような勢いは、突然後ろから伸びた長い手に口を塞がれて静かになりました。
「もご! もごもごもご~~!!」
「こら。お手伝いして下さっている方にちょっかいをかけるんじゃない。……すみません、うちの子がとんだお邪魔を」

 どうやら父親らしい進化系が、じたばた抵抗する我が子を迎えに来てしまった様であったのです。そんな事はない、とトコハナも苦笑はするのですが、引き留められてしまっていたのは確かなのです。
「やだぁ! もっとおはなしするぅ!」
「どうか私達にはお気遣いなく。……ほら、向こうに里の皆もいるから、戻るよ」

 ぺこりと会釈を残して、親子の魂はそろって青い鬼火が浮かぶ賑やかな場所へ戻っていきます。その後ろ姿に影が無いのを認めたオージャックの次代の長もまた、青い鬼灯を片手に祭りのお役目に戻っていったのでありました。
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・こちら【illust/121995627】のアフターイベント中のワンシーンです。
モブとして参加している南瓜さんなら会えるかなと思って……。トコハナちゃんのイベントの姿がお披露目されたのでつい突貫しました。
このままちびっ子民南瓜はお父さんに回収されて、一晩だけの慰霊祭を楽しく過ごすでしょう。

・お借りしました
絶好調の次代の長 トコハナちゃん【illust/117613635】 イベントの姿【illust/123307317
案内係のオージャックの皆様【illust/121995686

ある里に生きていた青魂の民のチビ南瓜【illust/118198653
※花飾りはこの時にもらった物……かもしれない

・問題等ございましたらご連絡ください

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2024-10-19 16:39:19 +0000