「おきなさい わたしのかわいい…」
「後がつかえてんだ、さっさと起きろ!」
ひどい、ナニコレ? 夢に出そう。
いや、夢なのか。とんだ悪夢だ。
勇者の母親役らしき町娘のNPCが、状況が全く見えてない様子で形だけの演技を続ける。
「早くお城に行こうぜ」
同じ衣装の「勇者」たちが、足早に外へ駆けてゆく。それでも、後からどんどん湧いてくる。
この女性は、自分の母ではない。
(そもそもわたくしは、ドヴェルグのオグマ様が岩を彫って作った存在ですから)
それでも、哀れに思えて。
「行ってまいりますの、お母様」
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2024-10-14 01:26:11 +0000