「お兄ー、ピザ焼いたけどお兄も食べるー?」
私が部屋で写真を整理していると、階下のキッチンから玄葉が呼びかけてきました。ちょっと小腹も空いていた事ですしもらおうかな。
「食べるよ、今降りるね」
返事をしてからハッとしたのですが、「玄葉が焼いた」という事で私は地獄コロッケを思い出しました。あの時はただコロッケを揚げただけなのにダークマターが出来上がったので、今回も何か恐ろしい事になってる可能性があります。生地やチーズが意味もなく七色に光っていたりするんじゃないだろうな・・・!?
頭の中に浮かんだこの世のものとは思えないピザのイメージを振り払おうとしながら、私は恐る恐るキッチンに向かいました。そおっと入り口から覗き込むと、玄葉があつあつのピザを一切れ口にしていました。その見た目は・・・普通。普通!?
「えっ、玄葉これどういう事!?」
「どういう事ってどういう事だ」
取り乱しながら聞いた私に、玄葉は虫けらを見るような目で聞き返してきます。
「いやだって、玄葉が焼いたんでしょ?だったらこんな普通に出来るはずないじゃない?」
「さらっと凄い失礼な事言ってる自覚ある?」
キッチンのごみ箱を見ると、よくスーパーで売っているチルドピザの袋が捨ててありました。つまり、こういうピザやカップ麺みたいな既に調理済みのものを作るだけなら普通に出来るという事か?基準が分からないですね。
「あ、実は完成までの間に一悶着あったとかだったりする?」
「何で私がキッチンに立つと何か起きる前提で話すのお兄は」
「ええー・・・何もないなんてありえる?例えば、号泣しながらピザを焼くような事態になったとかさぁ」
「逆に聞くけど『号泣しながらピザを焼く』なんて事態、何が起きたらそうなるのよ」
言われてみれば、ピザを焼く際に号泣するとか意味が分かりませんね。私もまだ混乱しているようです。
「そんな失礼な事ばっかり言うならお兄にはピザあげないから」
玄葉が両手でピザの乗ったお皿を持って私から遠ざけました。頬を膨らませて不満を表明しています。と、玄葉の口の端にチーズが付着しているのに目が留まりました。
「玄葉、ピザついてるよ」
ひょいと指で掬い取って舐めてみると、味も普通に出来ています。既製品ならセーフなのはこれで確定でしょうか。
「ちゃんとおいしいね」
「・・・!!!」
ふと見ると、玄葉が顔を真っ赤にしてぷるぷる震えています。
「玄葉?」
「・・・し、信じられない!妹の口についてた食べ物普通食べる!?お兄のヘンタイ!」
ん?これアウトな行為だったんでしょうか。
「これなら間接キス未満でしょ。というか、私と玄葉は間接どころか直接キスした事あるよね」
「それ小学校あがる前の話だろ!もー知らない、お兄のバカー!」
ピザのお皿を叩きつけるように置くと、玄葉は自分の部屋に逃げ帰ってしまいました。玄葉の地雷はどこにあるのか分かりにくいなぁ。
※『AIピクターズ』サイト内で生成した作品です。AIピクターズ作品ページ→https://www.aipictors.com/works/469994/
2024-10-02 15:29:22 +0000