<オリフレ>ナポリタン・マスティフ

小蜂 凉平

「どうも。アタシは用心棒の『ナポリタン・マスティフ』。どうして用心棒なんて因果な商売をしているのかって?
 いやねぇ…アタシも出来る事なら喰っちゃ寝して過ごしたいのはやまやまなんですけどねぇ、何分面倒ごとの方が押しかけてくるもんでどうにもしようがないって奴でして…ええ…せめてあっさり片付いて昼寝の時間が増えるといいんですがねぇ…」
イタリア・ナポリ原産のイヌ『ナポリタン・マスティフ』のオリフレです。
ナポリタン・マスティフはの歴史は紀元前326年にインドまでの大遠征を実行したアレクサンダー大王によってギリシャに持ち込まれたイヌをベースに作り出されたモロサス犬にまで遡るとされており、ローマ帝国はモロサス犬を更に改良し現在のマスティフの原種を生み出し、闘犬や軍用犬として欧州の広い地域で運用しました。その結果として欧州各地にマスティフ系犬種が生まれる事となり、ローマ帝国亡き後のイタリアでもその特徴を色濃く引き継いだマスティフが番犬などの用途に用いられていましたが、度重なる戦乱と社会的混乱によりイタリアの古典的マスティフは20世紀初頭にはほぼ絶滅したと言われる所まで追いつめられてしまいました。しかし1946年にナポリで開かれたドッグショーに8頭のマスティフが登場した事をきっかけに『ナポリタン・マスティフ』としての品種化の動きが始まり、1949年にイタリアの血統管理団体であるENCIに、1956年に国際的な血統管理団体である国際畜犬連盟に認証されました。
元が番犬であり厳つさのある風貌で体力のある犬種ではあるものの、性格は比較的温厚で主人とその家族への思いやりが出来る器用さを持っている事から家庭犬としても優秀とされています。
因みにナポリタン・マスティフはイヌが一度に産んだ頭数のギネス記録を保持している犬種であり、2005年にイギリスで飼育されていたティアという名前のナポリタン・マスティフが24頭を出産しそれまでの記録を塗り替えています。

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2024-09-28 11:46:15 +0000