「あ、あの、ナギサ様……こ、これは、一体…?」
「どうかしましたか、ヒフミさん? トリニティ皆の模範たるティーパーティーたるべく、色々と学んでいきましょうね」
「そ、それに関しては頑張りたいと、思っているの、ですがっ…!」
「ですが?」
「こ、これは色々と、良くないの、では…?」
「良くない……?はて、どういうことでしょうか?私にはよくわからないのですが…?」
「うぅ……あの、だって、その…」
「教えていただけませんか? どうしてこれが、よくないのか……ヒフミさんの口から、是非」
「あぅぅ、だって、ナギサ様が教えてくれたんですよね、その、つ、翼で……」
「はい、翼で?」
「……つ、翼で抱き締めるのは……『最も大切な人への、恋人や伴侶にするような特別な行為』だと」
「はい、その通りですね。何か問題がありましたか?」
「っ!だ、だって今……ナギサ様、翼で、私を……っ」
「はい、抱き締めていますね。ヒフミさんを、私の翼で」
「……あうぅ……///」
「それで、何か問題がありましたか?」
「え、えっと……つまり、これは……その……」
「ふふ、少し、意地悪でしたかね。もう少し、想いを言葉にしましょうか」
「……は、はい」
「私はヒフミさんを、とてもとても大切に、特別に想っています。そして同時にそれがヒフミさんからも同じように想って貰えることを、願ってもいます」
「……っ!///」
「答えはまだ、返さずとも構いません。けれどヒフミさんにはこの想いを……」
「あ、あのっ!!」
「……? はい……どうしました?」
「もし私に、翼が、あれば……」
「……はい」
「私はきっと、ナギサ様を、翼で抱き返して……ナギサ様に、触れられたら、この上ない喜びを、得られたのだと……そう想い、ます」
「ふふ……なるほど、そうですか。はい、その言葉はとっても……魅力的ですね 」
詰め方がほぼハナコ。これがトリニティの知的階層のやり方ってワケ。
そしてヒフミ側としても。
翼のないヒフミには、翼ハグはできないけれど。
今そうすることが出来たら、真っ先にそうしていたと。
ナギサ様にはありヒフミにはない翼を、恋心と定義するなら。
『その翼は、いつか芽生えるか』と聞くまではできないナギサ様のちょっぴり臆病な乙女心。
「今すぐに気持ちに応えられないけど、同じように大切に想っています」
補足解説は野暮だけれど、トリニティ流の言葉を迂遠にするやり口、好き。
セルフ考察追記(24/11/27)
ナギサは『自分に翼はない』を、「大好きだけど!まだ恋心ではな い」と解釈して、ヒフミは「ナギサ様に愛してると言う資格」と考えていそう。
2024-09-24 17:34:21 +0000